Blog

便利な知識

中小企業のAI・DX導入に役立つ記事をお届けします。

Topic

47 件中 1–12 件

  1. 情報漏洩セキュリティ

    「社内用だから大丈夫」が、いちばん危ない──10月の漏えい連鎖で見えた、3つの入口

    2026年9月の終わりから、大きな会社の個人情報漏えいの発表が相次ぎ、10月7日から9日の3日間で、国の機関などから注意喚起が8本出ました。ただ、各社の発表を読むと、どうやって入られたのかはほとんど書かれていません。手口が分かるのは、JPCERT/CCとマクニカが実際の対応から書いた資料だけです。それと各社の発表に残った数少ない言葉を突き合わせると、入口は3つに絞れます。アプリの中の鍵と画面の裏のAPI、「社内用」の管理画面やBIツール、そして委託先。どれも「表には出していないつもり」の場所で、中小企業にもそのままあります。業者や担当者に聞ける質問の形にしました。うちも委託先なので、自分たちの側の話も書きます。

  2. 見積もり人月

    AIで作った画面に、手書き時代の人月を払っていませんか──高い人月にも、安いバイブコーディングにも、同じ3つの質問を

    取引先が受けた業者の営業に同席しました。画面はAIで作ったものだと分かる。試作は無料で驚くほど早い。それなのに見積もりは、人月を積み上げた3か月・100万円前後。大手は「生産性70%向上」「人月半減」と自分で公表していますが、価格への反映はどこも公表していません。人月は「手間」の単位で、AIで手間と成果の関係が業者ごとにバラバラになった。だから人月では、何を買っているのか分からない。逆に「AIだから安いはず」も立証されていません(METRの試験では経験者が19%遅くなった)。安いバイブコーディングの中身が「検証を省いた」なら、支払いは後ろにずれるだけ。高い人月にも安いバイブにも、同じ3つの質問をぶつける記事です。うちにも刺さります。

  3. JevAIエージェント

    「書くAI」と「採点するAI」をつなぐと、何が起きるか──全自動ではなく、「検査付き」がタダになる

    文章を書かないAI「Jev」は、ChatGPTのような文章AIの代わりではなく、横に置く採点係です。文章AIが書いた返信を送る前に、「質問に答えているか」「値引きを約束していないか」「社外秘に触れていないか」を5問、0.5秒、ほぼゼロ円で検査する。今までは検査は「人がやるか、やらないか」でした。検査がほぼ無料になったので、「検査付きの自動化」が「検査無し」と同じ値段で組めます。ただし採点係は「人を呼ぶ側」に置くこと。「人を外す側」に置いた全自動は、判断を10段つなぐと机上の計算で4割しか当たりません。Jev連載の最終回。連載で一番言いたかった話です。

  4. Jev予測マーケティング

    7年前に消えた「AI予測マーケティング」が、半分だけ生き返った──Jevで御社が今やること

    2018年ごろ、「お客の行動からAIが買いそうな人を当てる」予測マーケティングが流行り、消えました。中小企業に届かなかった理由は3つ。自社の成約データが半年で千件要ったこと、成績表が10日に1回だったこと、値段。Gartnerは2019年に「2025年までに8割が撤退する」と予測しました。文章を書かないAI「Jev」は、この3つを消しました。学習データが要らず、返事は0.5秒、質問3つで0.003円。ただし残った壁が4つあります。計測を自分で仕込むこと、迷っている客に何を出すか、効いたかを測ること、判断の質。7年前はモデルが買えなかった。いまはモデルはほぼ無料で、それ以外が全部残っている。御社が今やること3つまで。連載第3回。

  5. Jevハルシネーション

    「間違えないAI」は、何を間違えないのか──Jevの正しい疑い方と、御社で入る場所

    文章を書かないAI「Jev」は「ハルシネーションしない」と宣伝されています。本当です。ただしそれは「用意した選択肢の外は出ない」という意味で、「選び方が正しい」という意味ではありません。第三者の試験では、単純なキーワードのルールに負け(97.2%対91.7%)、自信の数字が当てにならない例も出ています。日本語はまだ検証されていません。だから使い方は「人の代わり」ではなく「人の前の下読み」。問い合わせの振り分け・請求書の仕分け・口コミの採点には入り、返信文・報告書・写真には入らない。御社の業務のどこに入るかを、専門用語なしで書きます。連載第2回。

  6. JevTypeSafe AI

    「文章を書かないAI」が出ました──返事は○×と点数だけ。だから100倍安い

    2026年9月15日、文章を一切書かないAI「Jev(ジェヴ)」が発表されました。作ったのはChatGPTの土台になった技術を作った研究者の一人。返事は、○か×か、点数、どれか一つ、の3種類だけ。作文する新人ではなく、答案用紙に○×を付ける採点係です。一文字ずつ順に書かないので、返事まで0.1秒、料金は読ませた文字の量だけで返事は無料、質問3つで約0.003円。ITに詳しくない経営者の方に向けて、何が出たのか、なぜそんなに安いのかを、専門用語なしで書きます。連載第1回。

  7. 一太郎Word

    「一太郎のほうが使いやすかった」と、引退した人たちは言う──Wordの次に、道具は来ない

    「一太郎のほうが使いやすかった」。引退した仕事のできる人たちが、口を揃えてそう言います。そして全員、いまはWordを使っている。使いやすいほうを、自分で捨てた人たち。Wordが勝った手段はExcelとのセット販売とプリインストールで、Word 98で逆転しました。農水省が2017年と2021年に「極力Wordを」と通知した理由は、外から「一太郎で送られると困る」と言われたから。デファクトは使いやすさで決まらない、を負けた側から書きます。1996年の一太郎ファイルは今Wordで開けないこと、一太郎2026がAIを載せて売られていること、そしてWordの次に「みんなの道具」が来ない理由——md・HTML・編集ソフトの乱舞時代に何を基準に選ぶかまで。

  8. コマンドプロンプトターミナル

    コマンドプロンプトは、何も怖くない──管理職が覚えるコマンドは、3つだけ

    黒い画面に白い文字。見たことはあるが、自分で開いたことはない。その窓が怖いのは、何も言ってくれないからです。ただ、AIに仕事を頼み始めた瞬間、必ず「どこに保存しますか」「どのフォルダで動かしますか」と聞かれます。そこで詰まるのはコマンドではなく、ファイルの「位置」を言葉で言えないこと。うちは過去に2回「コマンドは打たなくていい」と書きました。撤回はしません。それでも管理職に覚えてほしいコマンドは3つだけ——移動する cd、見る dir(Mac は ls)、作る mkdir——。この3つは何も消さず何も変えないこと、「cd ドキュメント」が通らない理由と OneDrive の落とし穴、何を打つと壊れるのかの線引き、今日5分でできる最小の一歩まで。

  9. AI驚き屋情報の見極め

    AI驚き屋に注意──技術は指数関数でいい。現場は違う

    初回の打ち合わせで「うちはもう手遅れですか」と聞かれた回数は、片手では足りません。ただ、彼らは嘘をついていません。欠けているのは分母だけです。Ramp AI Index では最新最高のモデルが企業の買ったトークンの6%にとどまり、AI支出の中央値は従業員1人あたり月11.95ドル、上位1%との差は約620倍。GoogleですらGeminiのデモ動画を編集していました。そして2026年7月、Claudeの共有チャットとArtifactsが検索エンジンに出た件は、ほとんど流れてきませんでした。事故は「驚き」の在庫にならないからです。煽りが起こす「止まる」と「壊す」、そしてうちが書きかけて落とした4つの失敗まで。

  10. デファクトスタンダード標準化

    誰も決めていないのに、文庫だけが揃った──デファクトスタンダードと、データの「型」の話

    紙のA判はISOが決めた規格ですが、文庫のA6判を決めた機関はどこにもありません。JIS P 0138 は出版物を名指しで適用対象から外していて、本の判型に公的な規格が存在しないからです。それでも文庫は揃い、絵本は揃わなかった。『はらぺこあおむし』は通常版が22×30cm、ミニ版が10×13cm——同じ話・同じ25ページで、決めた主体だけが違います。デファクトが生まれる三つの条件と、書店員がブックカバーを折る仕事、そして現場の「9月頭ごろ」をシステムの型に落とすときAIに何をさせて何をさせないかまで。

  11. 個人情報マスキング

    なぜ「会社のAI」でなければいけないのか──仕組みから見た、マスキングが要る5つの理由

    AI利用ルールに「顧客情報は会社のAIにだけ」と書きましたが、理由を説明していませんでした。理由を知らないまま守られるルールは、忙しい日に破られます。「学習に使われないから安全」は半分しか正しくない——学習と保存は別の論点です。そして2002年、氏名を削除した医療データから州知事の記録が特定された事例。使われたのは生年月日・性別・郵便番号の3つだけでした。仕組みから見た5つの理由と、何を消して何を残すかまで。

  12. AI投資DX

    「1TBを90秒」と「100万円以上」──決まっているのは金額のほうだった

    この1週間で出た3つの発表を並べると、ひとつの構図が見えます。大阪大学とNECの新しいデータ転送基盤に出てくる数字は「1TBを約90秒」。中堅中小企業のIT投資調査に出てくる数字は「AIに100万円以上」。前者は成果の数字で、後者は投資の数字です。そして調査は、効果が出る条件も、障壁の正体も、すでに示しています。障壁は技術ではなく組織とプロセスで、しかも前年より悪化しています。